山岸 征嗣 院長(小机駅前やまぎし 内科・内視鏡クリニック)のインタビュー

小机駅前やまぎし 内科・内視鏡クリニック 山岸 征嗣 院長

小机駅前やまぎし 内科・内視鏡クリニック 山岸 征嗣 院長 SEIJI YAMAGISHI

日本医科大学医学部卒業。同大学武蔵小杉病院 消化器病センターに在籍。自由が丘メディカルプラザ(内科・消化器内科)勤務を経て、2024年1月より『小机駅前やまぎし内科・内視鏡クリニック』を開院(JR横浜線「小机駅」より徒歩1分)

地域の人々と共にある開業医として新たなスタート

物を作ることが好きでした。それは今でもそうで、車の整備も自分でやるくらいですので(笑)。「何か物を作りたい」。そうした気持ちが強く、建築学科に進みたいと考えていたのです。それが変わったのは、よくある話ですけども、母が病気を患ってしまってからでした。もともと、実家は両親がともに薬剤師で、親戚にも薬剤師や看護師が多かったので、「医療」というものを身近に考えていたことはあったかと思います。それが母のことがあり、身近な人の役に立てるようにと考えたのですね。
日本医科大学卒業後は、消化器外科医となりました。当初は、救命センターを志望していました。実際に初期研修の際、9ヶ月ほど救命センターに回っていたのですけども、そちらの外科出身の先生から「消化器外科を10年やり、それから救命に来なさい」と言われ、「そうか」と納得したのです。「手を動かしたい」という希望もありましたし、若かったのでしょう、「外科医ってかっこいい」という印象があったものですから。それが、いざ消化器外科に足を踏み入れてみると、すっかりこの世界に魅了されることになり、以降、十数年を消化器外科医として過ごすことになったのです。消化器の中でも肝胆膵(かんたんすい)を専門としていましたが、例えば肝臓破裂などの外傷で患者さんが運ばれてきた際、救命センターに呼ばれてお手伝いをさせていただくこともありました。違った形にはなりましたけども、多少の恩返しは出来たのかなと思っています。
直近では、目黒区にある大型クリニックに勤務していました。そちらは全体で10ほどの診療室があり、専門医を集め、病院の外来機能を持ち出したようなクリニックを目指していました。それまで私が籍を置いていた日本医科大学武蔵小杉病院の消化器病センターは、外科だけではなく、消化器内科の診察もおこなっていました。ですから、おなかについては内科も診ていたのですけども、おなか以外の内科について研鑽を深めたいと考えていたのです。心臓のこと、糖尿病のこと、甲状腺のこと、すぐ隣に専門医がいて、教えていただけましたので、のちのちを考えても非常にためになった日々でした。
そちらのクリニックで医師会を通じ、災害対応訓練に参加したことがありました。しかし、よくよく考えてみますと、私は住まいが港北区ですので、いざ何かあった時にはクリニックに行くことは出来ないわけです。開業医は地域医療の要と言える存在です。開業医として、すぐに駆けつけられる場所にいることが重要と考えていたところ、幸運にも医院の承継のお話をいただき、2024年1月に当地に『小机駅前やまぎし内科・内視鏡クリニック』を開院することができました。

癌で亡くなる方を少なくしていきたい

以前の医院に来院いただいていた患者さんも引き続きいらしていただいています。おなかの悩みのご相談や、外傷やできものの処置で来院される方も少なくありませんが、やはり多いのは、一般内科、中でも生活習慣病の方です。クリニックとしては、一般内科の患者さんの健康をサポートさせていただくとともに、専門的な内視鏡検査、さらに予防医学としての健康診断に力を入れていきたいと考えています。病院勤務時代は、癌の治療に主に携わってきました。癌は、早期に見つかれば治すことが可能な疾患です。おこがましいかもしれませんが、横浜市の健康診断・検診実施医療機関として、癌で亡くなる方を少しでも減らすことが出来ればと思っています。

1人ひとりに応じた適切な医療を提供

患者さんの生活背景にも目を向けていくことを心がけています。例えばの話ですが、80歳、90歳の方に「塩分を6グラムに控えてください」というのも、気の毒な気がするんですね。もちろん、ある程度の我慢はしていただかなくてはなりませんが、ご高齢の方につきましては従来の生活スタイルを維持しつつ、お薬を有効に用いながら、健康に出来るだけ悪影響が出ないよう配慮していきたいと考えています。若い方の場合、また別の話になります。20年、30年後の心筋梗塞や脳梗塞を防ぐために、今から生活を見直していただくことが重要なわけですので。健康寿命を延ばして差し上げることが私たちに課せられた責務であり、出来ることからしっかりやっていただけるよう、生活指導もおこなわせていただいています。

消化器外科医としての専門性を活かした内視鏡検査

内視鏡検査の機器については、クリニックのレベルにおいて最新のものを導入しています。これにより、胃カメラであれば画像がより鮮明になりますし、特殊光の導入により、病変を見落とすリスクも少なくなります。
大腸については、可変スコープとなっています。患者さんの体格や通過する部位によって固さを変えられるスコープのことで、これにより痛みが出づらいことになります。また、大腸内視鏡検査をする際は、自動送水機を用います。大腸カメラは、くねくねと曲がっている腸をまっすぐにしながら入れていくのですが、空気が入るとそれが難しくなり、痛みが生じる一因となります。水没法とも言いますが、水を入れることで空気が入り込まなくなり、それによって痛みが起きないようにするものです。大腸の検査では、ポリープを見つけた際の診断が重要です。そのポリープには癌化のリスクがあるのか、それとも少ないのか。はたまたすでに癌であるのか。拡大機能も備えたスコープの採用により、診断がより確かなものになることが期待できます。
以前に勤務していたクリニックでは、肛門(痔)のお悩みにも対応していました。その経験も生かし、注射で治るものなのか、それとも手術が必要なのかを的確に判断し、信頼できる施設へとご紹介もおこなっています。

地域のみなさんへメッセージ

病院にかかっていないから健康、というわけではありません。自覚症状なく進んでしまっている病気もたくさんあるわけですので、毎年の健康診断を受けることをお勧めします。がん検診は、確かなエビデンスがあるものです。例えば、一年ごとに検便の検査を受けていれば、大腸の進行がんが見つかる可能性は確実に減っていきます。日本の癌治療は、世界の中でもトップレベルです。しかし、にもかかわらず、欧米に比べれば癌で亡くなる方の比率が非常に多い傾向が続いています。その差がどこから生じるかというと、やはり検査への意識の違いが大きいと思われます。がん検診を受ける人数がまったく違うのです。せっかくいい治療があっても、検診を受けていないことによって本来なら助かる命が助からない、ということになっています。その現状を少しでも好転させていくのが外科医の時代からの私の願いでもあります。お身体のことで何か困ったことがありましたら、お気軽にご相談ください。そしてもちろん、健康診断についてご相談も歓迎しております。地域の医療の窓口として、どうぞお気軽にご利用ください。

 

※上記記事は2024年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

小机駅前やまぎし 内科・内視鏡クリニック 山岸 征嗣 院長

小机駅前やまぎし 内科・内視鏡クリニック山岸 征嗣 院長 SEIJI YAMAGISHI

小机駅前やまぎし 内科・内視鏡クリニック 山岸 征嗣 院長 SEIJI YAMAGISHI

  • 出身地: 埼玉県
  • 趣味・特技: DIY/スキー(モーグル)
  • 好きな作家: 村上春樹
  • 好きな映画: 『シザーハンズ』
  • 好きなアーティスト: 安室奈美恵、ジャネット・ジャクソン
  • 好きな場所: 雪山/沖縄

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