松本 由香 院長（新綱島 皮ふのクリニック)のインタビュー

別の分野から改めて医学部へ

もともと父が開業医でした。兄が継ぐことになっていたので、当初私は全く別の世界を目指して文系の大学に入学しました。ですが、卒業後社会に出たタイミングで研修医として働き出した兄が、寝食を忘れるほどに、ひたむきに診療にあたる姿を見て、私が生涯をかけてやりたい仕事はこれかもしれないと目の前が開けた思いがしました。どこか根底に医療職への憧れがあったのかもしれません。その後、改めて医学部に入り直して医師の道を歩むことになりましたが、まったく別の分野からの転身だったので、最初はちょっと難しいかな、という気持ちもありました。そんなとき、ちょうど父が社会人枠入学の情報を持ってきてくれて。今まで自分が学んできたものでもチャレンジができるなら頑張ってみようと。当たって砕けろ精神で、自分の運命をかけてみようと思ったことを覚えています。

保険診療から美容診療までしっかりと

当院は、まず保険診療でしっかりと診るクリニックです。どうしても保険では賄いきれないもの、例えばニキビ跡やくすみといった美容診療も、医師の目線できちっと診断したうえで提供する、というのがスタンスです。今も月に2度、大学病院で専門外来を受け持っていますので、これまで大学病院でしか受けられなかった治療を許される範囲内で出来る限り提供するというのも特徴かと思います。大学病院は診療時間が限られていたり、アクセスが悪くて通えないという方も多くいらっしゃいます。新しい治療法自体、知らなかったという方もいらっしゃって、せっかく選択肢があるのに治療を受けられないというのはすごくもったいないなと。自分が大学病院で最先端のところに少しだけ携わっているからこそ、有益な情報を提供できるとも思いますし、大学病院とクリニック。その架け橋的な役割を担うような保険診療をしていきたいと考えています。見た目が治っていくと、皆さんいい笑顔で帰っていらっしゃいますので、心も体も元気になるクリニックだということをアピールしていきたいです。

大学病院でのノウハウをクリニックで

保険診療で特徴的なものですと、アトピー性皮膚炎や乾癬など、難治のものに対するエキシマライトという紫外線治療器を導入しています。継続的に通う必要があるものの、なかなか導入しているクリニックが少ないと聞いているので、近隣の患者さんには通っていただきやすくなるのでは、と思っています。お子さまでも問題なく受けてもらえる治療ですので、塗り薬で改善しない場合などご相談いただきたいですね。また、巻き爪治療も対応しています。こちらもお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

保険診療では、承認施設ではないと使えない薬や治療法もあるんですね。私は大学病院で、乾癬や掌蹠膿疱症、アレルギー疾患を専門に診ていますが、そういった承認施設でしかできない治療法のノウハウも持っていますので、将来的には当院が承認施設になれればとも考えています。患者さんに示せる選択肢も広がりますし、大きな病院との連携を取りながら、承認施設でしかできない治療を提供できるようにしていくのが直近の目標です。

美容皮膚科も質の高い機器がずらり

ニキビやアトピーといった皮膚疾患でお悩みの患者さんが多いですが、「この肌が治ったら、次は美容も相談したい」と言われる方も増えています。保険診療も美容も同じスタンスで提供しているので、患者さんも安心して次のことを考えられるのかなと。高齢の方が「このシミ、取れますか」といったご相談をされることもあり、美容皮膚科はちょっとハードルが高いと思われている方のニーズにも応えられているのかなとちょっとうれしく思っています。

美容皮膚科の領域でも、フォトフェイシャルや炭酸ガスレーザー、シミ取りレーザー、各種ピーリングと質の高い機器を揃えています。日常生活の延長線上で、ちょっとご褒美みたいな感じで受けられるのはもちろんですが、コンプレックスになってしまって気分が落ち込んでしまうという方を元気にするお手伝いができればとも思っています。

患者さんとのコミュニケーションを大切に

今、治療の選択肢はすごく広がっています。患者さんが知るべき情報をきちっと伝え、そのうえでよりよいものを一緒に選んでいければと思いますので、なるべくお話をよく聞いてコミュニケーションを取れるよう意識しています。私自身、子育て経験もありますので小さなお子様のスキンケアなど、ちょっとした日頃の悩みも気軽にご相談いただきたいですし、駅から近く院内もすべてバリアフリーですので、高齢の方にも通っていただきやすいのでは、と思っています。微力ながら、地域の方の皮膚の健康に貢献できればと思っていますので、まずは気軽にご相談にいらしてください。お待ちしています。

※上記記事は2024年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。