保刈 徳久院長(大曽根歯科医院)のインタビュー

大曽根歯科医院 保刈 徳久院長

大曽根歯科医院 保刈 徳久院長 NORIHISA HOKARI

神奈川歯科大学を卒業後、鶴見大学 小児科学教室に勤務。手伝っていた母の歯科医院を引き継ぎ、1993年に院長に就任し、現在に至る。(東急東横線 大倉山駅より徒歩4分)

歯科大学の教授と母からの学びを診療に活かして

この医院はもともと母が開業していた歯科医院で、そんな母の影響を受け、歯科大学に進みました。
大学卒業後は、鶴見大学の小児歯科学教室に勤め、そこで二人の先生からとても大きな影響を与えていただきました。その一人が大森郁朗教授で。小児歯科学という分野がまだなかった時代に小児歯科の診療形態や考え方などの基礎体系を築いた方で、当時は子どもの虫歯が多く、単に虫歯を治せばいいという考え方が主流だったのに対し、顎・顔面の発育や食生活、さらには予防を含めた小児歯科の基礎から、「お金もうけに走るのではなく、患者さんのためになる治療を」という心得まで、徹底的に学ばせていただきました。さらに臨床と地域医療の師と仰いでいる、もう一人の先生は母です。大学で子どもだけを診ていた私に、すべての患者さんを診られるよう指導していただきました。小児歯科が専門の歯科医師として、そして開業医としての基本を一から教えてくださったこのお二人が今の診療の母体になっています。
そんな勤務医の時代に母の歯科医院を手伝っており、1993年に私が院長として引き継ぎました。母は大正15年生まれなのですが、現在の口腔外科や保存科にあたる分野を専門として当時米軍駐屯基地の歯科に勤務していたこともあり、今では治療方法は古い考え方ですが母もプライドを持った歯科医師です。2010年までは根管治療や義歯作製に関して母に学びながら親子で診療していました。私の専門は小児歯科ですが、おかげで今は一般歯科からインプラント、歯周病まで、小さいお子さんから高齢の患者さんまで、年齢を問わずあらゆる分野に対応しています。

患者さんの情報を積み上げたカルテを長期保存

小児歯科の場合、相手は意思の疎通の難しい小さなお子さんのことがほとんどですが、たとえ小さなお子さんでも丁寧にわかりやすく説明することと、できるだけ痛くないような治療を心がけています。というのも、お母さんに安心していただくことも大切ですが、それ以上にお子さん本人に安心して治療を受けていただき、「また来たい」と思ってもらえることが大切だと考えているからです。痛くないよう表面麻酔を使ったりもしますが、患者さん自身が納得していると、本人の感覚として痛く感じないようで、「痛い」と言われたことはほとんどないですね。また、小さい頃から通われている患者さんで、成人して引っ越しされた後も遠方からずっと定期的に通ってくださる患者さんがいることも、このような信頼関係の積み重ねのおかげかなとうれしく感じています。
また、そのように、小さい頃から来院されている患者さんのカルテはずっと保管しています。例えば、3〜4歳の頃に来院した患者さんで、転ぶなどして前歯をぶつけたために永久歯が生えてこない障害のある方がいたとします。その患者さんが矯正することになった際、最初に治療を受けた時のデータがすべて残っていれば、矯正のプランがスムーズに立てられます。大人になってからの診察だけではわからなかったことが、過去のデータがあったためにわかるということもあります。そのためにも、小さい頃からの定期検診は重要ですし、私は積み上げられたデータは何にも代えがたい宝物だと思って、生涯を通じて保存するようにしています。

患者さんの高齢化などに伴って始めた訪問診療

最近の特徴は、生まれてくる赤ちゃんに健康な歯が生えてくるよう、出産前から通われる妊婦さんが増えてきたことや、患者さんの高齢化に伴って訪問診療を始めたことでしょうか。
長年、歯科医師会の活動で地域医療に携わっており、通院が困難になった患者さんが安心して歯科医療を受けられるよう、歯科医師会内での港北区在宅歯科相談室を設立したり、近隣の商業施設で歯の健康について子どもから大人まで楽しく学べるイベントを開催したりして、お口の健康の維持、管理、予防に取り組んでいます。また、介護が必要となった時、ご家族は他のことに手いっぱいで、どうしてもお口のケアは後回しになってしまいがちですが、生涯自分の歯で噛んで食べることをはじめ、お口の機能を維持することは全身の健康に大きく関わっているということを事あるごとにお話するようにしています。

地域の皆さんの健康を守り続けていきたい

高齢者の在宅医療は国が進めていることもあり、だいぶ支援体制が整ってきました。当院でも、長年通ってくださった患者さんで通院が困難になった方に対応できるよう、訪問診療の体制を整えました。また、小児歯科の専門性を生かして、難病のお子さんが病院を退院されてからの口腔ケアのサポートも行っています。しかし、自分の専門性を生かすことも大切ですが、それ以上にお口のかかりつけ医として、一般歯科からインプラント治療や歯周病治療、口腔外科、そして保険診療から自由診療までオールマイティーに対応しながら、地域の皆さんの健康を守っていきたいと思っています。また、これは個人的なことになりますが、息子が歯科医師になったので、ゆくゆくは一緒に仕事できたらうれしいですね。

「生涯かかりつけ医」を目指して

いくつになっても患者さんが安心して通える「生涯かかりつけ医」をめざして、歯科医師は頑張っていますので、お困りのことや気になることがある方はぜひお近くの歯科医師にご相談ください。また、最近は治療が終わってからも定期検診に通ってくださる患者さんが増えてきています。歯科治療は治しておしまいではなく、患者さん自身が正しい歯の管理法を学び、自宅で適切なケアができるようになることが大切です。痛くなってから駆け込むのではなく、定期的に通うところという認識が高まってきていることはたいへんうれしいですね。検診に来られた患者さんに「特に困ることはないよ」と、笑顔で言っていただけるよう私たちも頑張っていますので、ぜひお気軽に足をお運びください。
また、マイナンバーカードでの保険証の受け付け対応もいたしておりますので、ご活用ください。

 

※上記記事は2024年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

大曽根歯科医院 保刈 徳久院長

大曽根歯科医院保刈 徳久院長 NORIHISA HOKARI

大曽根歯科医院 保刈 徳久院長 NORIHISA HOKARI

  • 出身地: 兵庫県西宮市
  • 趣味: ゴルフ、野球、登山
  • 好きな本・愛読書: 三国志
  • 好きな映画: 韓国ドラマ
  • 好きな音楽・アーティスト: 竹内まりあ
  • 好きな言葉・座右の銘: 努力こそ人生の礎
  • 好きな場所: 山

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