藤川 博之 代表（ヒロボディケアスタジオ)のインタビュー

 大学時代までバレーボール一色の生活の中、自分の将来について自問自答

高校・大学とバレーボール一色の学生生活でした。Vリーグの監督をしていた父を幼少の頃から見ていて、その憧れからバレーボールに携わる事を将来の目標と決めていました。しかし、バレーボールを仕事として生きていける人はほんの一握りで、それ以外の道に進む人が圧倒的に多いのが現実です。父のようになりたい気持ちは、いつからか憧れとのギャップと、自分の能力不足を悲観するだけの日々に変わっていきました。随分前に父は亡くなりましたが、指導している時の父の溌溂とした目の輝きは今も忘れることができません。何らかの形で自分も教える立場になりたいと考えた末、トレーナーとして生きる道を選びました。

スポーツクラブに勤め健康や運動に求めることは人それぞれだと気づいた

フィットネスクラブで約15年間、幅広い年齢層の方と接し、「運動ができることが当たり前ではない」と肌身で感じました。少し前の携帯を持っていない人とスポーツクラブに通っている人は、ほぼ同じ5パーセントの比率だと言われていたころ、運動に苦手なイメージを持っている方にも、きっかけをつかんでいただいて楽しいと思ってもらい、日常に取り入れてもらえるようにと勉強と工夫を積み重ねました。例えば自分のおじいちゃん、おばあちゃんに「今日から腹筋100回、200回やって」と、自分がスポーツに打ち込んでいた時にやっていたことを伝えても通用しませんよね（笑）。それにひとくちに運動といっても、人によって求めるものは全然違います。精神的に疲れている人、発散したい人、癒されたい人と様々です。また、痩せるイコール幸せだとは一概に言えません。たくさんのお客様と触れ合ううちに、運動以前のケアも大事だなと思うようになり、資格の勉強を始めました。そしてスポーツクラブの中の一室を借りて、カイロプラクティックと整体施術を始め、今のお店を開業する流れとなりました。

 プレッシャーからパニック障害になった自身の実体験を伝えたことが転換に

実は私自身が、スポーツに専念していた期間に、様々なプレッシャーやその当時の厳しい指導に耐え、神経をすり減らしていたこと、また競技を辞めると決めてからの不安など、色々なことが重なりパニック障害になりました。ある日を境に、得体の知れない恐怖感としびれ、強い吐き気に襲われるようになりました。そんな自分を恥ずかしいと思い込んでいたのですが、お客様への施術・接客を通して変わってきました。自分自身の実体験を伝えるようになっていくと「そういうことは伝えていった方が良いですよ」「先生もそうだったんですね。安心しました」と、お客様からおっしゃっていただき、どんどん自分を出せるようになりました。そうした自分の経験があるからこそ、お客様の状態や表情を繊細に感じ取ることもできるのかな、とも思います。自分がパニック障害を初めて発症した時に、いわゆる一般的な病院にかかったのですが、私の様子をあまり見ることもなく、一辺倒の質問の流れで「じゃあこの薬出しておきますね。はい、次の方どうぞ」といった、どこか機械的な対応に疑問を持ちました。その経験から、私はその場限りの対処ではなく、お客様の生活習慣や姿勢、運動や食生活、自律神経のバランスなど、おひとりおひとりの状態とじっくり向き合いたいと思いました。

お客様ご自身の身体と向き合っていただくサポートを

お客様からは「歩きやすくなった」「肩こりが楽になった」など日常的な動作が楽になったとお声をよくいただいています。一番やりがいを感じるのは、長い間、精神安定剤や睡眠導入剤を服用されていた方が、うちで施術や運動を始めてから「頭痛がなくなった」「よく眠れるようになった」というお声を頂戴することですね！目の輝きも日に日に増して、力強く変わっていかれる様子を見届けるのはとても嬉しいです。もちろん、私は薬を処方することはできませんし「治します」と直接的な表現で伝えることはできません。ですが、不調の原因を一緒に探りながら、ご自身の身体と向き合っていただくサポートに努めています。薬の処方箋がわりに、その方に合った日常に取り入れられる運動のご提案や、「自宅で運動はなかなかできない」という方へ、併設のスタジオで、整体・カイロプラクティック施術、また、ピラティス、エアロビクス、気功、太極拳など、様々なレッスンもご用意しています。

 おひとりおひとりに寄り添った運動ができる整体院

私自身が運動を長くしてきた経験から、運動の重要性は分かりつつも、一辺倒のやり方や精神論では通用しないことも学んできました。だからこそ、おひとりおひとりに寄り添った運動ができる整体院として、施術（整体・カイロプラクティック）コースとスタジオレッスンコースで運動指導を組み合わせたトータルケアをご提案しております。お体のことで気になることはどうぞお気軽にご相談くださいね。

※上記記事は2024年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。