黒部 美子 園長・代表取締役(インターナショナル・ランゲージ・ハウス)のインタビュー

インターナショナル・ランゲージ・ハウス 黒部 美子 園長・代表取締役

インターナショナル・ランゲージ・ハウス 黒部 美子 園長・代表取締役 YOSHIKO KUROBE

夫の仕事に伴い渡米、20年以上ニューヨークに住みながら5人の子どもたちを育てつつ、フリーランスのライター、企業調査の仕事に携わる。帰国後、法人の海外事業部に正社員として勤め、退職後、2006年「インターナショナル・ランゲージ・ハウス 幼稚部」創立。2018年幼稚部入園前の1~3歳児を預かるプレスクールを立ち上げ、2020年認可保育園「ランゲージハウスNakajima保育園」「ランゲージハウスFujisaki保育園」を開園。クロベ・コーポレーション代表取締役。

幼稚園ママたちの要望からスタートしたワンコインの英会話レッスン

夫の仕事の関係で渡米し、20年以上ニューヨークに住みながら5人の子どもたちを育てました。子育てを楽しみつつも、その間にフリーランスのジャーナリストとして働き、マーケティングにも携わるなどして働いていました。日本に帰国後は、法人の海外事業部に正社員として勤め、フルタイムで働く中で、子どもの幼稚園で出会ったママたちが英会話をやりたいという話をきかっけに、朝の登園時間を使ってママ&ベイビーというクラスをワンコインレッスンで始め、出張ワンコイン、子供達を各園にお迎えに行って英語のアフタースクールキッズクラブ、「英語de Art」などのプログラムを提供し始めました。スペースは自宅の一画を活かし、始めは4人の生徒さんからのスタートでした。そのうちに、生徒さんのお母さまたちや周囲から「ここで幼稚園を始めてほしい」というお声をいただくようになり、一大決心をして会社を辞職し、自宅を有効に使うために始めたのがワンコイン英語リトミックです。また同時に、上智大学から外国人留学生を受け入れていまして、その留学生が始めた幼児英語クラス顔その後のランゲージハウスに繋がっていくわけです。最初は彼らにクラスを手伝ってもらっていましたが、お子さんの人数が増えてくると、細やかな対応が必要になった際に彼らに任せるだけでは限界がありますし、その他にも様々なタイミングが重なって、いよいよバイリンガルの幼稚園の開園を考え始めることになりました。

行政を変えられなくても自分ができることを行動

そこで横浜市の英語教育がどうなっているのかが気になり、自分なりにマーケティングをしました。行政も含め、教育に携わる様々な方にお会いしてお話を伺うと、横浜は国際的な都市で華やかなイメージがあるものの、英語教育はまだ中身が伴っていないことに実態がわかってきました。これからグローバル社会で子どもが生きていくために、私ができることはなんだろうかと考え、とうとう思い切って開園を決意しました。最初は2名の園児から始まりましたが、

明確なバイリンガル保育を徹底的に行うことを目指してに取り組んでいたら、ちゃんと結果はついてくるだろうと信じていました。おかげさまで口コミやご紹介を通して園児もどんどん増えていき、幼稚部入園前の1~3歳児をお預かりするプレスクールも立ち上げました。

自分の子育てを通じ痛感した英語だけでなく母国語と文化を学ぶことの重要性

一方で「バイリンガル幼稚園」というイメージがなかなか認知されにくいという現実もありました。私はニューヨークで子育てをしてきて、自分の子どもたちを通して痛感したことがあるんです。それは、英語が話せても、自分の母国語を話せないと社会で生きていくのに苦労するということ。ですので、インターナショナルといっても、母国の文化や言語も学ぶことが大事だと思いました。自分の言葉で自分を守らないといけないなって。そのためにも、保育の方針として、日本人保育士と外国人講師が共同で保育をするバイリンガル教育にこだわりました。基本的な保育は英語ですが、礼儀や正しく美しい日本語を身に付け、挨拶やマナーなど生活習慣については、生活の中で自然に身に着くよう日本人の保育士が担当しています。また日本の伝統文化や行事も日々の保育活動の中にたくさん取り入れているんですよ。また、ネイティブな外国人と日常的にふれあい、学んだ英語を生活の中で生かしていくことができ、3年間かけてじっくりと英語を身に付けていくことができます。

保育士の採用基準は人間力・いかにパッションを持って生きているか

もちろん語学だけではなく、自分に自信を持って、どの国に行っても生きていけるような「人間力」を育むことも大事ですよね。そのためにも、私は、園を一緒に育て、子どもたちと共にする保育士の採用は慎重に回数を重ねます。食事は必ずしますね。一緒に飲んだり食べたりすると、すごく人間が出るじゃないですか。私と想いを共鳴してくれなくていいから、まず相手の話を聞いて、その上でその人自身がいかに考え生きてきて、どんなパッションを持っているか、そこを知りたくてしっかり対話を重ねます。

手をかけすぎず、自分で経験させる・変化する社会の中で保育を通し提供すること

人間力を身につけていくには、子どもたちに手をかけすぎて、大人がやりすぎるのはどうかと思うんです。だから、保育士には「時間がかかってもいいから、まずは自分でさせてみて」とよく話をしますね。喧嘩もしたらいい。なんでも1に安全、2に安全、3にも安全で、子どもに経験させないでいては、自分の身を通して学ぶことができませんよね。バイリンガル幼稚園のいいところは、英語で話し考える自分、日本語で話し考える自分の違いを知り、国籍や育ってきた文化など背景が異なる先生と日常を共にすることで、生活の中でいろいろな価値観に触れられるところにあると思います。ありがたいことに、地域の方や遠方から通ってくださる皆様からご紹介が広がって自然と人が集まるようになりました。これからも子供達の10年、20年先を見据え、変化していく社会を考えたとき、インターナショナル・ランゲージ・ハウス幼稚部で今できることは何かをいつも柔軟に考えています。そして、最終目的はバイリンガル小学校を作ること!保育園から小学校10年間をしっかりとしたバイリンガル教育で教育できれば、日本の将来はより力強くなると信じています。

 

※上記記事は2024年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

インターナショナル・ランゲージ・ハウス 黒部 美子 園長・代表取締役

インターナショナル・ランゲージ・ハウス黒部 美子 園長・代表取締役 YOSHIKO KUROBE

インターナショナル・ランゲージ・ハウス 黒部 美子 園長・代表取締役 YOSHIKO KUROBE

  • 出身地: 東京都板橋区
  • 趣味: Bollywood dance (SPICE 侍というダンスチームを運営して13年になります。)
  • 好きな本・愛読書: 塩野七生「チェーザレボルジアあるいは華麗なる冷酷」
  • 好きな映画: West side story
  • 好きな言葉: Life must goes on.
  • 好きな音楽: 世界の民族音楽
  • 好きな場所: インドの村

INFORMATION